2026 AUTUMN — 十一月十五日(日)
ひとりずつ、
音が増えていく。
はじめは低いところに一本だけ。そこへ一本ずつ弓が入って、最後に全部が鳴ります。下へスクロールしてみてください。音を出すと、目で見ているものがそのまま聞こえます。
いま鳴っている声部 なし — 静けさ —
- Iコントラバス四名/低いところを支える
- IIチェロ六名/歌といっしょに歩く
- IIIヴィオラ六名/内側を埋める
- IVホルン四名/弦と管をつなぐ
- Vクラリネット二名/木の音がここから入る
- VI第二ヴァイオリン十名/裏で刻む
- VII第一ヴァイオリン十二名/旋律を持つ
- VIIIフルート二名/いちばん上で光る
※上の図の音は、録音ではありません。その場で合成しています。実際の演奏はホールでお聴きください。
うまい楽団ではありません。
団員のほとんどは、平日に別の仕事をしています。学校の先生、看護師、市役所の職員、定年を過ぎた元会社員。練習は日曜の午後だけで、それも全員はそろいません。プロの楽団と比べれば、粗はいくらでもあります。
それでも三十八年続いているのは、この街に「聴きに行く場所」が要るからだと思っています。入場料を千五百円に据え置いているのも、高校生以下を無料にしているのも、そのためです。うまさを売っているのではなく、その日そこにいたことを売っています。
今年はシベリウスから始めます。北の国の、寒くて暗いところから明るいところへ出ていく曲です。十一月の日曜の午後に、ちょうどいいと思いました。
曲目
- OPENING
-
シベリウス/交響詩「フィンランディア」作品二十六
およそ九分。低いところから始まって、途中で一度、全部が止まります。そこからが本題です。
- SECOND
-
グリーグ/「ペール・ギュント」第一組曲 作品四十六
四曲組。「朝」と「山の魔王の宮殿にて」は、たぶん聞いたことがあります。曲名を知らなくても大丈夫です。
- MAIN
-
ドヴォルザーク/交響曲第八番 ト長調 作品八十八
およそ三十六分。四つの楽章のあいだは拍手をしないのが習わしですが、してしまっても誰も怒りません。
- ENCORE
-
当日のお楽しみ
毎年、その年に亡くなった団員がいれば、その人の好きだった曲をやります。今年はいません。
いずれも著作権の切れた作品です。演奏時間はおおよそで、休憩十五分を含めて二時間ほどを見ておいてください。
練習の日
写真はイメージです。練習は毎週日曜の十三時から、市民文化会館の練習室で。見学は自由です。
おいでになる方へ
- 日時
- 二〇二六年十一月十五日(日) 開場 十三時三十分/開演 十四時
- 会場
- 市民文化会館 大ホール(架空・八百席)
- 指揮
- 諸岡 律(もろおか りつ)
- 入場料
- 全席自由 1,500円/高校生以下は無料(お席はあります)
- チケット
- 当日、受付でお求めになれます。前売りはしていません
- お子さん
- 連れてきて構いません。泣いたら出て、落ち着いたら戻ってきてください
- 駐車場
- 会館の駐車場が使えます(無料・百台)
- 団員募集
- しています。楽器を十年ぶりに触る、でも大丈夫です
その日、
いてください。
拍手のタイミングも、服装も、決まりはありません。途中で寝てしまっても構いません。演奏している側も、たぶん一度は間違えます。それでも二時間、同じ部屋にいた人がいる、というのが演奏会です。
事務局(平日 十時〜十七時)/ 見学・入団のご相談も同じ番号へ。